• リキロン皮膜

    エンジンオイルと一緒にエンジン内を循環する3μのリキロン粒子が、ピストンやメタル部でオイルと共に「擦り」や「噛み合い」の機械的作用を反復され、以下のような固体皮膜(コーティング層)を形成します。

    以下の写真はプラス91を規定量添加したオイルをテストピース(50mm×50mm,材質SUS304)に10cc滴下して5.9Kgfの荷重で500回摺動させてからオイルを拭き取り撮影したものです。

    リキロンの皮膜:200倍

    リキロンの皮膜:2000倍

    被膜の特性

    リキロン粒子が圧着されて形成する固体皮膜(コーティング層)は、次のような外観と特性を備えています。

    • 形成被膜は白濁色です。
    • 最大膜厚18μの固体層を形成します。
    • 動的摩擦係数は0.016〜0.02を示します。
    • 被膜密度が高いので耐磨耗性と耐久性に優れています。
    • 金属面に圧着されるので密着力が強く剥離しません。
    • 730℃以上でガス化するので炭化物として残滓しません。

    被膜の働き

    シール作用

    プラス91のシール作用は、劣化して硬化収縮したパッキングを膨潤してシール性を復元したり、エンジンオイルの粘度を上げて漏れ量を減らすのではありません。 機械的作用で形成されるリキロンの被膜が摺動面や滑動部の隙間を、コーティング層で埋め、また、静止部合せ面の漏れはリキロン粒子が重積結合して隙間を埋めて、エンジン内部からオイル漏れをシールします。常温・無圧状態で5μの隙間があればオイルのにじみが始まり、摩擦熱でオイルの粘度が薄くなったり、内圧が上がると漏れ量は急激に増加します。リキロンが物理的に隙間を埋めるシール作用は、オイル漏れが発生する温度条件や漏洩量に関係なく、次回オイル交換するまで持続します。

    潤滑作用

    固体潤滑剤の中でも優れた潤滑性を持つリキロンが集合したコーティング層は、摺動面や滑動部を平滑化して摩擦抵抗を減少する働きでオイルが最も効果を上げる潤滑条件にするので、エンジンの作動性や即応性が向上します。 リキロンが金属面に形成する固体被膜とオイルの複合潤滑は、始動時や高速走行時に発生する焼き付き現象を防止する効果に優れていますが、特にオイル潤滑が極限状態になる高回転域で複合潤滑の優れた効果を表します。

    磨耗防止と密封効果

    リキロンが形成する最大膜厚18μのコーティング層は、金属と金属のコンタクト現象(直接接触)を防止して磨耗を減少する効果に加えて、シリンダーとピストンリングのクリアランスを埋める結果、圧縮圧が低下したシリンダーの密封性を焼く10%向上して規定圧を復元します。

    被膜の耐久性

    擦りや噛みあいの機械的作用を受けて形成するリキロン被膜は、潤滑を必要とする個所の金属面の粗さに比例した膜厚を形成した後は、機械的作用で常に擦り作用を受けて適正な膜厚に保持されます。

    被膜は形成→損耗→補充→損耗→補充を繰り返しますが、プラス91は、リキロンの分散量が減少して膜厚の補充ができない状態になった時を耐久性の限界点に設定しています。

    プラス91を添加して10,000km走行したエンジンオイルには、1リットル当たり1.1%のリキロン粒子が測定されますが、役12,500km走行した時点では含有量が0.05%に減少します。リキロン含有量が0.03%以下になると、被膜の補充が充分に出来ないため効果は降下傾向を示します。

    厳密に耐久性を示すことは、使用するエンジンの状態(走行距離・運転方法・走行条件、また、オイル漏れの大小など)に因って限界点に達する時間差が出るため困難ですが、プラス91の耐久性はあらゆるエンジンの状態を考慮に入れて10,000kmに設定しています。

    限界点に達した場合でも効果が急激に降下することはありません。また、リキロン被膜を補充して所定の効果を維持するには、1/3〜1/2の量のプラス91を追加すれば所定の効果が得られます。